企業と小規模企業の共存
ウェブ制作業界は競争が非常に激しいです。小さな制作会社が無数に存在しています。しかし、その大きなメリットは、大きな会社や巨大資本の会社と共存できる点にあります。この業界の最大手には、電通や博報堂、大日本印刷などがありますが、これらの会社は本業として広告代理や印刷業を行っているにも関わらず、ウェブ制作案件の受注が多いのです。
下請けと孫請けの構造
基本的に、これらの大企業がウェブ制作の受注を受けると、自社で制作することはほとんどなく、下請けに依頼します。そして、その下請けがさらに下請けに出すという「孫請け」の構造が形成されています。そのため、大手広告代理店が受けた仕事でも、実際には小さな制作会社が制作する流れになっています。
受注の門戸と参入障壁
また、基本的に広告代理店や大手印刷会社は、非常に大きな金額でない限りウェブ制作の受注を受けません。100万円以下の小さな仕事は受け付けないのが一般的です。その理由は、ウェブ制作がクライアントの抽象的なイメージを扱うため、制作進行に非常に手間と時間がかかるからです。少額予算の場合、大手代理店にとって採算が取れないのです。この手間と時間が大きな参入障壁となっており、大企業が参入しづらい理由となっています。
大企業の強みと小規模企業の可能性
大企業や大資本は、コスト削減を徹底的に行い、単一のニーズやパターン化されたものを安く提供することに長けています。例えば、マクドナルドのハンバーガーが安いのは、合理化が徹底して行われているからです。このようなビジネスモデルを中小企業が真似ることは困難です。そのため、ハンバーガー産業に中小企業が参入することは非常に難しいのです。
しかし、ウェブ制作の世界は、お客様の要望が異なり、完全オーダーメイドのサービスが求められる場です。デザインの要望も異なり、制作目的も多岐にわたります。また, 顧客の要望に柔軟かつ迅速に対応することが必要です。これは大手企業が苦手とする分野であり, 合理적かつ効率的な解決が困難です。だからこそ, 小さな会社がこの領域で生き残ることが可能なのです。
