お客さん自身でのドメインやサーバーの契約を推奨
Web制作の営業をしていると、ホームページ制作を契約する際に、すでにホームページを持っているお客さんよりも、リニューアルを希望するお客さんのほうが多いことに気づく。契約後に初めてホームページを持つお客さんのディレクションは一苦労する。
その理由は、まずドメインとレンタルサーバーに関する説明を行い、それらを契約する方法をレクチャーしなければならないからだ。さらに、PCの基本操作すらわからないお客さんもいて、仕事が進まないことがある。
しかし、ホームページ制作にはドメインやサーバーが必要であり、これらがないと納品できない。そのため、代行して契約を進めてしまうことがあるが、これが後に大惨事を引き起こすことがあり、私の考え方が変わった。
現在は、『代行料金をもらわない限りお客さんのレンタルサーバーやドメインは自分が契約しない』という方針を採用している。契約には手間と時間がかかり、人件費も発生するので、それに見合う料金を請求するべきだと学びました。
かつて自分が制作したホームページの例を挙げると、いくつかの制作会社から選ばれ、感謝の気持ちから余計なサービスを提供してしまった。そして、レンタルサーバーやドメインの契約に関する知識がないお客さんの代わりに契約を行った。しかし、その際に使用したフリーメールアドレスが致命的なミスを引き起こした。
このフリーメールは契約時にしか使用しないため、1年後の契約更新時に必要なメールが送られず、お客さんは契約更新を逃してしまった。結果としてホームページは表示されなくなってしまい、お客さんが気づくのは遥か後のことだった。
この時はそのお客さんから電話がかかってきて多いにもめた。実際に電話がかかっきたのはそのお客さんを代行するIT業者の人だったが。自分もドメインのIDとパスはお客さんに知らせたので、ドメイン管理はお客さんの仕事と説明したが、それならなぜ更新のメールが届かないのかと反論され『webの制作会社ならドメインの管理するのは当たり前で常識がなさすぎ』『損害賠償を払え』『制作費用を返せ』『ドメインの再契約費用を払え』などぼろくそに罵倒された。
結局のところそのまま何も事なきを得ず済んだのだが、この時ばかりは痛い教訓で自分も反省した。自分の親切心やお客さんに良く思われたいという気持ちが、この問題を引き起こした根本原因だった。今では、無理な親切は避け、契約外の仕事は行わないと心に決めている。
自分だけでなく、他の人も同様の問題に直面している
このような事態は自分だけの問題ではないことに気づいた。実際、他のウェブ制作会社でも、ドメインやサーバーの代行契約は日常茶飯事となっている。自身も転職した会社で、このような問題が繰り返し発生していたのを目の当たりにした。
その中でも驚いたのは、あるウェブ制作会社がクレジットカードの自動決済を利用しており、何年にもわたりお客様の代わりにサーバーとドメインの費用を支払っていたケースだ。
自分は前職の経験から、絶対に客の代わりに契約することは避けていた。しかし、経験の浅い営業担当者は、客の代わりにサーバーやドメインを契約することは「あり」だと考えていた。これが原因で、会社が損害を受けることになったり、IDやパスワードがわからなくなってドメインが失効するなど、様々な問題が引き起こされた。
仕事において、自分がよかれと思って行った行為が逆効果になる
仕事以外でも同様の事例は見られるが、自身が良かれと考えて行った行為が、時に仇となり、誤解を招く経験は誰しもが一度や二度はある。特にビジネスの場では「お客様の立場に立った考え方が重要」とよく言われる。このドメインの事例を振り返ってみると、お客様の立場に立った選択肢とは、たとえお客様からの要請があっても、敢えて代行せず、お客様自身にドメイン管理を行う重要性を理解してもらうことであった。
Webの業界に足を踏み入れて1年目、2年目の頃、事の重大さを理解していなかった。ドメイン管理はWeb業界で非常に重要な業務であることを強調したい。ドメインは年間数千円からと手頃な料金設定であるために軽視されがちだが、実際にはWebサイト運営において最も重要な要素の一つだ。
同一のドメインURLは世界に一つしか存在しないため、唯一無二の価値を持つ。実際に、過去にはドメインの乗っ取り事件が発生しており、企業のホームページやメールアドレスが第三者に奪われ、迷惑メールが送信されるという大惨事が引き起こされた。これによって企業の信頼は失墜し、甚大なダメージを受けることになる。
だからこそ、この記事を読んでいるWeb業界の新人であるあなたに訴えたい。お客様からの依頼があったとしても、ドメインの契約業務を安易に引き受けないよう心掛けてください。
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原則として、お客様に単に好かれることを目指すのではなく、プロフェッショナルな立場を保持することが重要です。レンタルサーバーやドメインサービスの契約代行は無償で行うべきではなく、有償で提供するべきであり、契約外のサービスは受け入れない方が良いです。
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