「なぜレンタルサーバーは無料でSSLを提供できるのか?」
近年、多くのレンタルサーバーがSSL証明書を無償で提供するようになり、ウェブサイトのSSL化が一般的な慣行となっています。SSLの導入は、サイト訪問者の貴重な個人情報を保護するために不可欠です。SSLは、インターネット経由でやり取りされる情報を暗号化し、サイトを「なりすまし」、「盗聴」、「改ざん」といった脅威から守る重要な役割を果たします。さらに、SSLはウェブサイトの所有者が誰であるかを証明する役割も担っています。これらの機能は、サイトのセキュリティ強化とSEO対策の両方において重要です。
かつて、GoogleはSSL化されたウェブサイトを検索ランキングで優遇すると公表しました。これは、Googleが検索アルゴリズムに関して具体的な情報を公開するのは非常に珍しいケースでした。この発表を受けて、多くのウェブサイトがSSL化に積極的に取り組むようになりました。
しかし、なぜレンタルサーバーは無料でSSLを提供できるのでしょうか?SSLにはドメイン検証(DV)、組織検証(OV)、拡張検証(EV)という3つの認証レベルがあります。無料で提供されるのは通常、ドメイン検証(DV)の証明書です。SSL証明書を発行するには、認証局から「電子証明書」を取得する必要があり、これは一定の手間とコストを伴います。
この疑問に答える鍵は、「Let’s Encrypt」という組織にあります。Let’s Encryptは、米国の非営利団体ISRG(Internet Security Research Group)によって運営されており、無料のSSL/TLS証明書を提供することを目的としたプロジェクトです。このプロジェクトは、インターネット上のすべてのウェブサイトを暗号化することを目指しており、事実上のボランティア活動として運営されています。
結果として、多くのレンタルサーバーはLet’s Encryptが提供する無料のSSL証明書を利用しています。これにより、コストをかけずにSSL証明書をウェブサイトに統合し、ユーザーに安全なブラウジング環境を提供することが可能になっているのです。
「無料SSLとSEO対策:効果はあるのか?」
近年、多くのレンタルサーバーが無料でSSL証明書を提供するようになり、ウェブサイトのSSL化が一般的になりました。GoogleはSSL化されたウェブサイトを検索ランキングで優遇すると公表していますが、現在ではほとんどのサイトがSSLを導入しているため、SSL化はSEO対策の「基本」となっています。つまり、無料SSLを導入したからといって、検索順位が大幅に上昇することは少ないでしょう。
SSL証明書には、ドメイン検証(DV)、組織検証(OV)、拡張検証(EV)という3つの認証レベルがあります。特に信頼度が高いとされるのが、組織の実在性も検証するOV証明書です。GoogleがSSLを検索アルゴリズムに組み込む真の意図は、これらの認証レベルを考慮している可能性があります。
Googleが検索結果で優遇したいのは、信頼性の高いサイトです。例えば、実在しない企業のサイトが存在することはありますが、これらはユーザーにとって価値が低いため、Googleはこれらのサイトのランキングを下げたいと考えるでしょう。EV証明書は最高レベルのSSL証明書であり、企業の所在地まで確認後に発行されるため、客観的な信頼度が高いとされます。同じ内容のサイトであれば、EV証明書を持つサイトが優位に立つ可能性があります。
SEO対策においては、最近「E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)」が重要視されています。特に「Authoritativeness(権威性)」に関しては、SSLの認証レベルも考慮されている可能性があります。
私が担当している会社では、特に他のSEO対策を行っていないにもかかわらず、EV証明書を導入したサイトが検索順位で上位を維持しています。これは、SSL証明書のレベルがGoogleの検索エンジンアルゴリズムに影響を与えていると考えられます。
しかし、EV証明書は年間でかなりのコストがかかるため、SEO対策の目的だけでの導入はコストパフォーマンスを考慮する必要があります。無料SSLは基本的なセキュリティを提供し、ある程度のSEO効果も期待できますが、より高い信頼性を求める場合は、認証レベルの高い証明書の導入を検討する価値があるでしょう。